カップの8の意味 < Indolence 怠惰> – トートタロット –

カップの8のキーワード

カップの8は、indolence(インドレンス)、怠け心と呼ばれます。
よりカンタンな英語でいえばlazy(レイジー)です。

カップ(感情)×8(拡大)= indolence(怠惰)

感情の楽なほうに楽な方にとやりすぎると、本当の感情が無視されるという感じです。

「気持ち良いこと=正解」という感覚的な判断は、ある程度の訓練を経ていないとただ単に間違えることがあります。

食事であれば「美味しいと感じるものを食べたいだけ食べれば、健康という意味でも最適になる」のが本来ですが、こうしたセンサーが機能していない状態で「食べたいだけ食べる」をやると、ただ単に過食になって必要以上に体重が増えて不健康になることになります。

>>スートと数字のイメージ・意味は、こちらを参照

イメージストーリー

本当は自分で作ったケーキを食べたい。
やり方は分かる。美味しいイチゴが売っている場所も知っている。
材料さえ買えばストレス無くできる。

けど、めんどくさいからデパ地下の有名ケーキ店で買ってきてすませることにする。
とても美味しいし身体も喜んでいるのだけど、どこか不満足。

シンボル解説

トートタロットのカップの8には、占星術マークでいうと、魚座の土星が描かれています。

魚座(神秘・イマジネーション)×土星(限界・最果て)=indolence(怠惰)

制約が多すぎる人は、どんなに想像力を刺激されても何もしようとしない(怠惰)。

ということで。

>>12星座と10惑星の意味は、こちらを参照

日本の伝承(神話・昔話・伝説)で例えるなら?

神としての娼婦のイメージ、江口の君の話がよいでしょう。観音様が遊女(高度な教養もある娼婦)に化けて、衆生救済のためにこの世にあらわれた。みたいな高尚なモチーフの話です。一番嫌われるものの中に、一番素晴らしいものが隠れているみたいなストーリーです。

その他

作者のアレイスター・クロウリーの例えによると、カップの8のイメージは

「パーティーの準備は全て整ったのに、ホストが客を招待するのを忘れていた、あるいは仕出し屋がご馳走を配達しなかった」(トートの書 P189)

となります。

わかりやすいんだかわかりにくいんだかな例え話ですが、確かにindolence(インドレンス)=怠惰な話ではあるでしょう。

なお、「怠惰(Acedia)」はキリスト教神学の7つの大罪の1つでもあります。この視点を使うと、「怠惰」は「霊的な善への関心が欠如してしまった → 生きるエネルギーが切れてしまった」みたいな解読もできます。

この視点も加えると「(現実的な障害は何もなかったのに)ホストがパーティーを実行しなかった」というクロウリーの例話は分かりやすくなるかもしれません。

恋愛

最後に、「恋人・パートナー絶賛募集中」な人に向けた恋愛トークでの「カップの8=怠惰」の参考例を。

ポジティブにとれば「全てがどうでもよくなると、逆に人生が明るくなってパートナーにも恵まれる」といったストーリーです。ネガティブにとれば「現状に絶望しないと、誰にも出会えずに月日だけが過ぎる」というストーリーになります。

 

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トートタロットの中のエジプト神話

通信講座・教材

1.タロットカード 解読テクニック 音声&PDF(初心者さん向き)

2.タロット教材各種 生命の樹をふまえたタロット講座など(基礎&応用)

参考文献など

ト-トの書 / The Book Of Thoth (A.クロウリー),正統ピタゴラス数秘占術(渡辺 だりあ), 易経 ビギナーズ・クラシックス(三浦 國雄) The Qabalistic Tarot: A Textbook of Mystical Philosophy (Robert Wang) ,Wikipedia (English,日本語)etc

※この記事は、理解のステップとして面白いものをという編集方針を基本としています。

nakajima oumi

nakajima oumi

シンボルと精神世界の研究家。 「キレイはキタナイ、キタナイはキレイ」。日本文化と欧米文化は異なるからこそ面白い。一般論や常識に違和感がある方歓迎。

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