カップの7のキーワード
カップの7は、debauch(ディバウチ)、堕落と呼ばれます。
debauchはdispline(ディシプリン、自律心)の逆で、放蕩(ほうとう)や堕落を意味します。
カップ(感情)×7(内向き)= debauch(放蕩)
感情のエネルギーが自分を満たすことで手一杯になると、無限の愛を注いでも砂漠に水をまくような状態になる、という感じです。
イメージストーリー
(妙齢の綺麗なお姉さんの独り言)
どんなに気晴らしをしても、欲求不満がおさまることはないのでしょうね。
お酒も飲めるし都合が良い時だけ会える彼氏達もいるし、稼ぎだって悪くない。
仕事だって得意だ。
ただ、なにかふっきれない感じが実はずっとしている。
でも、それが何なのかはよく分からない。
いまは後ろめたい気持ちはあっても幸せと言い切りたい。
御覧なさい、私は暗くてまばゆくて美しいのよ。
(独り言おわり)
シンボル解説
トートタロットのカップの7には、占星術マークでいうと、さそり座の金星が描かれています。「そうさ、私はさそり座の女」という歌謡曲がありましたが、あの独特のダークな美しさのイメージでよいかもしれません。
さそり座(毒)×金星(美女)=debauch(ディバウチ=堕落)
内面に猛毒を秘めた美女(金星)は、暗い快楽(debauch)を経て女王へと変身する。
ということで。
日本の伝承(神話・昔話・伝説)で例えるなら?
美女に騙される仙人のイメージです。
山奥で修行していた鳴神上人が帝(みかど)と対立、龍神を閉じ込めて全国的に雨がふらない天気にしてしまい、帝を困らせた。帝は絶世の美女をスパイとして送り込んで色仕掛けで上人に酒を飲ませて眠らせ、その隙に美女が龍神の封印を解いた。(鳴神)
その他
作者のアレイスター・クロウリーの、カップの7の解説をみると
「このカードは、安易な気持ちで行なえば、秘跡は冒涜され売春に等しくなることを思い出させる点で、有益である」(トートの書 P203)
という話がのっています。
民俗学の知見によると、江戸期の日本では、村々の盆踊りはフリーセックスの場でもありました。
ただ、そこに祝祭としての「神聖な何かとの接触」があるうちは「セクシャルかつ神聖なお祭り」になりますが、それがなくなれば「単なる乱交パーティー」に堕落してしまうわけです。
「秘跡が冒涜されると売春に等しくなる」というのは、これと少し似た話かもしれません。内面的な感覚へ深く静かに潜行することには、それなりの危険が伴うこともあるということです。
ただのアル中と、お酒をたしなんで優れた詩や音楽を作る天才との差は紙一重なのです。
恋愛
最後に、「恋人・パートナー絶賛募集中」な人に向けた恋愛トークでの「カップの7=堕落」の参考例を。
ポジティブにとれば「相手の欲望をあおることで、全てうまくいく」といったストーリーです。ネガティブにとれば「欲望にミスリードされて、後悔しかない時間をもつ」というストーリーになります。
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通信講座・教材
1.タロットカード 解読テクニック 音声&PDF(初心者さん向き)
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参考文献など
ト-トの書 / The Book Of Thoth (A.クロウリー),正統ピタゴラス数秘占術(渡辺 だりあ), 易経 ビギナーズ・クラシックス(三浦 國雄) The Qabalistic Tarot: A Textbook of Mystical Philosophy (Robert Wang) ,Wikipedia (English,日本語)etc
※この記事は、理解のステップとして面白いものをという編集方針を基本としています。