蛇(へび ) | イメージ シンボル 私家版小辞典

シンボル小辞典

1.蛇(へび)を象徴として解読する場合の素材

【聖書神話】
エデンの園の蛇

 【ギリシャ神話】
医療の神アスクレーピオス

【インド】
ナーガ(蛇神・水神)

【中国大陸】
伏羲と女媧   (人の上半身、蛇の下半身、を持つ二神)

【日本】
三輪の神、八岐大蛇

 2.蛇のシンボルとしての考察

東洋のヘビと西洋のヘビとの違い

西洋の蛇は聖書神話のエデンの話のイメージが強いのか「悪役」イメージがやや強めです。ハリーポッターでも悪役側のシンボルとして使われていました。ただ、ギリシャ神話の医療の蛇の杖のように善玉のイメージもあります。

東洋の蛇は日本の神社の神様で「ご神体=ヘビ」(弁天や三輪山など)のケースがあるように、意外と善に入ることも多いように思います。インドのナーガ(蛇神)も仏様の装飾に使われたりします。ただ、ヤマタノオロチのように悪役になることもあります。

ヘビと水

ヘビは水のイメージと結びつくことが多いです。ヒュードラ(ギリシャ神話の多頭の蛇)、ヤマタノオロチ(日本神話の多頭の蛇)、ナーガ(インドの蛇神)、伏羲と女媧(中国大陸の下半身が蛇で上半身が人間の神々)、いずれも「水」への連想しやすさを持っています。

川を高い所からみると「蛇行」といって蛇のように流れていることがあります。

Natural river between the forest – aerial high view

こうした風景を見れば、蛇と水のイメージが結びつきやすいというイメージはわきやすいのではないでしょうか。川のこうした形状そのものが「蛇行」と書きます。蛇と川がイメージとして強く結びついている例の1つでしょう。

ヘビと無限大マーク( Ouroboros )

蛇は「脱皮」という性質をもっており、回転、変化、死と再生といった概念と結びついています。「不死性」や「永遠」とも結びつきやすいです。

このマークは2つの蛇がお互いの口で尾を噛んでいるマークで、無限や円環といった概念と結びつきます。

別のパターンとして、蛇で8の字を横にした「無限大」マークというのもあります。これも「無限の回転や循環」といった概念と結びつきやすいイメージです。

ヘビとケリュケイオーン(カデュケウス)

wikipediaより

同じ蛇のマークでも、「円」というよりは「上昇とらせん」と結びついているものもあります。ギリシャ神話の伝令神ヘルメスがもつとされる杖です。なお、医療神の杖は「1本の蛇」で伝令神の杖は「2本の蛇」になっています。

タロットとヘビ

・トート
魔術師、運命の輪、ディスクの2
・ライダー(RWS)
魔術師、恋人たち、運命の輪、カップの7

・トートのディスクの2とRWSの魔術師、「無限の力」(回転)

・運命の輪、「死と再生」(回転)

・RWSのカップの7、RWSの恋人たち  「欲望や誘惑」(聖書神話のエデンの園の話など)

3.まとめ「蛇」のシンボルとしての意味

蛇は性質として「脱皮」というものがあり、「不死性」のようなイメージと結びつきやすいところがあります。一方でその形状もあって「水」と結びつきやすい傾向があります。(折れ曲がる川の流れと蛇の動き方はよく似ている)

クンダリーニ(原義は蛇)のように「エネルギーそのもの」として蛇という言葉が用いられることもあります。

神話の蛇は聖書神話のように「ずるがしこさ」の象徴として出てくることもあれば、ギリシャの医療神の杖のように「癒し」の象徴として出てくることもあります。神聖さの象徴になる場合もあれば、悪の象徴になることもあります。

 

 

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シンボル関連 参考文献など

キリスト教シンボル辞典(ミシェル・フイネ),ギリシャ神話シンボル辞典(ソニア・ダルトュ),図解古代エジプトシンボル事典(リチャード・H. ウィルキンソン) ,サインとシンボル(アドリアン・フルティガー),図像学入門(山本陽子),聖書,Wikipedia (English,日本語)etc

※この記事は、理解のステップとして面白いものをという編集方針を基本としています。(シンボルという言葉は極めて広い意味で使っています。)

nakajima oumi

nakajima oumi

シンボルと精神世界の研究家。 「キレイはキタナイ、キタナイはキレイ」。日本文化と欧米文化は異なるからこそ面白い。一般論や常識に違和感がある方歓迎。

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