ソードの1のキーワード
ソードのエースは、風の力の源と呼ばれます。
エースは小アルカナの中で少し別格なカードです。
風の力の源というのは、非常に抽象度が高い言葉です。
言い換えると「知恵の泉」だったり「創造性の源」だったり「静かな喜びの源」だったり
「知性の根源」だったり「頭がすっきりすることの源」だったりします。
さらに具体化すると、
「知恵の泉」というのは、状況によって、読書の時間だったり、リサーチ(調べもの)の時間だったり、
本や情報だったり、散歩の時間だったり、瞑想の時間だったり、雑談の時間だったり、
さまざまなバリエーションがありえることでしょう。
いずれにせよ、現実世界の出来事そのものではなく「その源(RootもしくはSource)」というのが、エースの象徴するものです。
イメージストーリー(たとえ話)
古代ギリシャの賢人が、ギリシャ神殿のような柱が並ぶ回廊を歩きながら弟子と対話をしながら講義をしている。
尊敬する人と山の中を歩きながら、ただなんでもない雑談をしている。仕事の話はしていないのに仕事のアイディアが浮かんできている。
高層マンションのラウンジで、ゴシックなドレスを着た少女がたくさんの難しい本を読んでいる。色んな知識が頭の中でつながっていく。
おしゃれなカフェで、仲の良い友達とお茶を飲んでいる。いつの間にか、最近悩んでいたことの本質が浮き上がってくる。
既に確定した決断というよりも、「思考の流れ」そのものというイメージです。
シンボル解説
カップが聖杯なら、ソードは聖剣です。
杯が女性性・潜在意識・感情のシンボルであるなら、剣は男性性・顕在意識・理性のシンボルでもあります。
炎のシンボルである棒も男性性シンボルですが、炎(棒)と風(剣)の一番の違いは
火の元素の一点集中性を持たず、あちこち広がるというところでしょうか。
ゼウスは陽気な風の神ですが、いつもあちこち浮気します。
「風の向くまま、気の向くまま」的な「軽さ」がその本領です。「地」の元素の魅力は「重さ」(&暗さ)ですが、風の元素の魅力は「軽さ」(&明るさ)です。
クロウリーの解説によると
「このカードは魔術師の剣を表す。(中略)また22=2×11 である。コクマー、知恵、ロゴスの魔術的顕現でもある。したがって、刃の上には法の言葉 θέλημα(テレマ)が刻まれている。この言葉は、光の炎を放ち、精神の暗雲を賞賛させる」(法の書 P206)
とあります。
※テレマ=意志(この場合、汝の真に欲することをなせ的な意味合い)
※コクマー(ホフマー)=ヘブライ語で知恵、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%83%AC%E3%83%9E
日本の伝承(神話・昔話・伝説)で例えるなら?
ヤマタノオロチ退治の剣とか、伝説上の神聖な刀剣がイメージ近そうです。そういえば、お寺などにある古い不動明王の宝剣の中には、トートのこの絵の剣と雰囲気が近いものもあったかもしれません。
その他
「エースは四大元素の根源を現す。他のスモールカードよりはるかに上位にあって、全く別物である」(トートの書 P182)
ポーカーの役などでもエースは強いカードであることが多いです。(3のワンペアとAのワンペアがいたら、Aのほうが強い)
エースは少し別格のカードとして見るとよいでしょう。
恋愛
最後に、「恋人・パートナー絶賛募集中」な人に向けた恋愛トークでの「ソードの1=風の力の根源」の参考例を。
ポジティブにとれば「感じていることをリアルタイムに共有するだけで、気になる人ともっと仲良くなれる」といった展開です。ネガティブにとれば「感じたことをそのまま言っても、相手から全く理解されない」という展開になります。
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参考文献など
ト-トの書 / The Book Of Thoth (A.クロウリー),正統ピタゴラス数秘占術(渡辺 だりあ), 易経 ビギナーズ・クラシックス(三浦 國雄) The Qabalistic Tarot: A Textbook of Mystical Philosophy (Robert Wang) ,Wikipedia (English,日本語)etc
※この記事は、理解のステップとして面白いものをという編集方針を基本としています。