カップの3のキーワード
カップの3は、Abundance(アバンダンス)すなわち豊穣と呼ばれます。
カップ(感情)×3(産み出す)= Abundance(豊穣)
感情を産み出すのが豊穣である。母なる女神は万物を産むというイメージです。
カップの4のキーワードであるLuxuary(贅沢)は「飽きるほど酒を飲んで、吐いてからまた飲む」という堕落のニュアンスも含む豊かさだとすると、カップの3のキーワードであるAbundance(豊かさ)は、「必要なものが十分なだけあり、大いに満足している」という健康的な豊かさになります。
イメージストーリー
飲むとすぐに「人生は感謝しかない」と叫んでいた友人のことがよく分からなかった。
ただ、今はなんとなく分かる気がする。
一杯のお味噌汁、炊きたてのご飯、大ジョッキのビール
「なんでもないもの」のもつ価値は大きい。
身体を壊した時に、はじめて健康がいかに大切かが分かる。
異国にいってはじめて、日本のご飯が美味しいことの価値を感じる。
「ふつう」には本当は大きな価値がある。
そんな発見をした日は、なんでもないのに少しテンションが上がる。
シンボル解説
トートタロットのカップの3には、占星術マークでいうと、かに座の水星が描かれています。
かに座(優しさ)×水星(智恵)=Abundance(アバンダンス 豊かさ)
とっても優しくなった(抜け目のない)商売人が、大いなる豊かさを作り出す。
ということで。
日本の伝承(神話・昔話・伝説)で例えるなら?
天から降りてきた女神が豊かさを運んできたみたいな羽衣伝説的なイメージです。
地上に降り立って水浴びをしていた天女が、地上の夫婦のもとにひきとられます。そして酒造りを教えた天女のおかげで、老夫婦は豊かになりました。その後、なぜか老夫婦は「実の子じゃないから」といって天女を追い出してしまい、別の場所に引っ越した天女は豊穣の女神(豊宇賀能売命=伊勢の外宮の豊受大神)として祭られました。(丹後国風土記の羽衣伝説)
その他
作者のアレイスター・クロウリーの、カップの3の解説をみると、
「デーメテールまたはペルセフォネのカードである」(トートの書 P200)
とあります。
デーメテール(豊穣の女神)とその娘ペルセポネー(春の女神)はギリシャ神話の豊穣を司る女神です。カップの3はAbundance(豊かさ)のカードなので、クロウリーにしては、とくに奇をてらわないストレートな解説だと思います。
日本人向けに言うなら、カップの3は、ウカノミタマノカミ(お稲荷さんの神様の女神)のカード、弁財天のカード、などなどの表現に換えるとニュアンス的にやや近いと思います。
恋愛
最後に、「恋人・パートナー絶賛募集中」な人に向けた恋愛トークでの「カップの3=豊穣」の参考例を。
ポジティブにとれば「知人や学生時代の友達と飲みに行ったら発展があるかも。今あるご縁を大切に」という意味です。ネガティブにとれば「今の人間関係からの発展はないので、友達・同僚・家族との時間を減らして、新しい出会いを求めてください」という意味になります。
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通信講座・教材
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参考文献など
ト-トの書 / The Book Of Thoth (A.クロウリー),正統ピタゴラス数秘占術(渡辺 だりあ), 易経 ビギナーズ・クラシックス(三浦 國雄) The Qabalistic Tarot: A Textbook of Mystical Philosophy (Robert Wang) ,Wikipedia (English,日本語)etc
※この記事は、理解のステップとして面白いものをという編集方針を基本としています。