1.金星を象徴として解読する場合の素材
【聖書関連】
堕天使ルシファー=明けの明星=金星 ( イザヤ書 14章12節)
イエス・キリスト=明けの明星=金星 (ヨハネによる黙示録 22章16節)
※もちろんルシファーとイエスはイコールではない
【ギリシャ神話関連】
Lucifer(明けの明星)
アフロディーテ
ビーナス
【バビロニア】
イシュタル
イナンナ
アシュタルテ(アスタロテ)
【日本関連】
悟りや覚醒の象徴として(空海と明けの明星のエピソード)
明星天子(虚空蔵菩薩)
大将軍信仰(神社での星神&軍神の信仰)
太白(古代中国大陸式の呼び名)
2.金星のシンボルとしての考察
全天で最も明るい星である金星は「昼でも見える星」になることがあります。月と太陽を別にすればスーパー明るいのが金星の特徴です。古代中国語では「太白」と呼ばれましたが、確かに夜明けの金星は「大きい白い星」に見えます。
英語の金星の女神ヴィーナスは美の神のイメージですが、これがバビロニアのイシュタルやエジプトのアシュタロテになると戦う女神のイメージもでてきます。中世日本の大将軍信仰になると完全に戦う神となります。月と太陽を別にすると、一番明るく輝く星(最大-4.7等星)なので一番パワフルにも見えるのかもしれません。
聖書の物語だと、ルシフェル(堕天使)という悪役側の役をふられることもあれば、イエスが「私は明けの明星」と言うこともあればで、善神になったり悪神になったり忙しいのが金星の特徴です。
仏教は異教の神を守護神として取り込んできた歴史があります。有名なのは七福神の弁財天です。これはもともとヒンズーの神だったものが取り込まれたものです。ヨーロッパではキリスト教も似たようなことをしており、こちらは異教の神を悪魔として取り込むということをやっていました。エジプトの女神アシュタロトは悪魔としてキリスト教世界に取り込まれています。
日本では、空海が記憶力アップのために虚空蔵菩薩を本尊とした行法を行った際は「(虚空蔵菩薩の化身たる)明けの明星が体に飛び込んできて行を成就した」という伝説が残っています。
「谷響きを惜しまず、明星来影す」(三教指帰 空海)
こちらでは智恵の仏様のシンボルなので、「光」にして「智恵」を象徴する星になっています。
3.まとめ「金星」のシンボルとしての意味
美・強さ・叡智・救い・魔 など
・美やエロス (ギリシャ的)
・キリストだったり悪魔長だったり(聖書的)
・悟りの智恵の象徴だったり将軍の星だったり(日本的)
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シンボル関連 参考文献など
キリスト教シンボル辞典(ミシェル・フイネ),ギリシャ神話シンボル辞典(ソニア・ダルトュ),図解古代エジプトシンボル事典(リチャード・H. ウィルキンソン) ,サインとシンボル(アドリアン・フルティガー),図像学入門(山本陽子),聖書,Wikipedia (English,日本語)etc
※この記事は、理解のステップとして面白いものをという編集方針を基本としています。(シンボルという言葉は極めて広い意味で使っています。)