ウェイト版(ライダー版)とトート版の解釈を相互に融通していいのか?

トートで覚えた意味をウェイトに転用していいのか、逆はどうなのか問題について回答しようと思います。基本的には初心者は「違うカードなので、融通できない」と思っておくほうが楽だと思います。

例えば、教皇(ライダー版)とハイエロファント(大祭司)(トート版)、あるいは悪魔のカードなど、絵の雰囲気がだいぶ違います。この場合、ストレートにトートの解釈でよく言われているキーワードをウェイトにあてはめたり、あるいはその逆をやろうとすると違和感が出てくることが多いと思います。

というのは教皇と大祭司の場合、ローマ教皇その人を象徴するのか、単純に宗教的指導者なのか、というところで大きな違いがあるので、「ローマ教皇(Papa)」的なイメージで解読されている意味を、大祭司(Hierophant)に当てはめると、キリスト教の話を仏教の話として解読するようなものなので、だいぶ離れてしまいます。

悪魔のカードもウェイト版は「単純にわるい存在」に見えやすいのですが、トート版での悪魔は「単なる悪い奴」には見えないイメージが強くなっているので、やはりそのまま融通するのはやや難しいでしょう。

なので、「トートで覚えた意味をウェイトに使っていいんだろうか?」という疑問をもった場合は、初心者は「別物」として扱ったほうが楽だと思います。

 

ただ、この2つのカードは「タロットカード」という土台と「(キリスト教世界の魔術師たちの使っていた)生命の樹」という土台を共通でもっていますので、うまく解釈すればどちらの意味も反対側のカードの時に活用することは可能です。ある程度慣れている人は、ウェイト版を普段は使うけどトートの書を読んでトートの意味を参考にしたり、といったことは十分できると思います。

 

nakajima oumi

nakajima oumi

シンボルと精神世界の研究家。 「キレイはキタナイ、キタナイはキレイ」。日本文化と欧米文化は異なるからこそ面白い。

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