タロットをリーディング(読む)という行為には「人生経験があるほうが有利」なんてことがよく言われます。孔子も40過ぎたら易(東洋の占い)を学べと、易を日常で愛用していたらしいです。
ただ、ふつうに生活しているだけだと、「体験できない経験」や「なかなか出会えない相手」や「なかなか悩まない悩み」というのがあります。
たとえば、「1人殺して100万人を救うのは、ありかなしか」的なトロッコ問題的テーマなんて、哲学の授業でもとるか歴史小説でも読むか、でもないとなかなか悩まないでしょう。そういう「自分の日常と縁がない悩み」を小説(あるいは映画やアニメなど)で疑似体験するだけでも、リーディングのセンスは大きく向上する可能性があります。
ここでは、おもしろいファンタジーな小説を7個ピックアップします。
7.聖なる予言
ありふれた日常を送っている人が、聖地に導かれて不思議な旅をしてくるちょっとした修行体験な小説。この構図の自己啓発的な小説ってたくさんありあますが、これはエンターテイメントとして面白いと思います。
6.ホビットの冒険
トールキン作品は、エルフ語のよう架空世界言語をしっかり作りこんであるという意味でもすごい作品です。ドワーフ・ホビット、ファンタジー世界の住人たちの基本イメージに大な影響を与えています。
長編シリアスの指輪物語(映画名はロードオブザリング)と少し迷ったのですが、さくっと読めるハッピーエンドな物語のほうを押しておきます。3作品になっていて少し長いですが、映画版もいい感じです。
5.ハリー・ポッター シリーズ
イギリス発の超有名魔法ファンタジー。読んで損はしません。魔法ものというより学園ものではありますが、英国的な魔法やファンタジー世界の雰囲気をつかむのにこれ以上のものはなかなかないでしょう。
有名作品だけあって、関係ない映画などにも「子供にハリー・ポッターの最新刊読ませたい!」とかちょこちょこ登場することがあります。
4.ロード・エルメロイ二世の事件簿
有名なゲーム(FATE)からはじまった世界の小説です。が、ゲーム発とはいえ、魔術師の出てくる日本語で読める小説の中では、相当に面白いほうだと思います。ハリー・ポッターシリーズより大人向けのミステリーに仕上がっています。
FATEの世界における魔術やサーバントなどの概念は、タロットや西洋占星術の世界とかなり近しいシステムになっていると思います。
3.ゲド戦記 影との戦い
光と闇の統合というお約束のテーマが、おもしろく調理されている小説。これはアニメ映画よりも小説のほうが面白いと思います。魔法使いのいる世界なのに、「使わない魔法こそが真の魔法なのです」的な世界観はちょっと面白い。
※ゲド戦記における「世界の均衡」の発想と、鋼の錬金術師の「等価交換」な発想と、開運法などによくある「急に運をよくしすぎると揺り戻しが」的な発想と、比較検討してみても面白いかもしれません。
2.死者の書 折口 信夫
トートタロット作者のアレイスター・クロウリーと日本史上の有名な国文学者・民俗学者の折口信夫(おりくちしのぶ)には1つ共通点があります。代表的な作品の中にエジプト趣味が入っているという点です。
この小説、死の世界と生の世界を扱う恋愛小説ですが、古代世界の不思議な深淵のようなものに触れるところがあるのでオススメです。原作は21世紀の人からみたら古文なので、漫画版から入ることをおすすめします。
原作 (解説付き)
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※人形劇版の一部がYOUTUBEにはってあったのでリンクはっておきます。
死者の書 川本喜八郎作品
https://www.youtube.com/watch?v=D1vRf1Nx6vM
聞く人によっては「これ外国語でしゃべってる?」という箇所があると思います。(日本語ですが)
1.果てしない物語
「汝の欲することをなせ」というトートタロットのファンにはお約束の名言が、主人公の持つメダルに刻まれています。(この名言自体は普遍的なものです)
というのは、「望みとはなにか? 」ということが1つの大きなテーマになっているからです。
生まれ変わりのような不思議な感覚に襲われる人もいるかもしれません。
※小説を下敷きにしたハリウッド映画もあります。歌だけはよかったですが、かなり違う構造の話になっていますので推薦はしません。
まとめ
ファンタジーな小説は単に娯楽として楽しめるだけでなく、目の前の現実世界を見る新しい視点に気が付かせてくれることがあります。読む前と読んだ後で、自分の感覚が何か変わっていないか、という視点で見ても楽しめると思います。