ウェイトやクロウリーの生きた時代、20世紀初期の英国に関するゆるい考察

精神世界

ある作品を理解する場合、作者の理解というのも大切ですが、作者の生きた時代を理解するということも重要になります。

例えば、21世紀の日本でファーストフード店を舞台にしたアニメの中で「スーパーサイズミーじゃないんだから」みたいなセリフがさらっと出てくることがあります。

これは、「毎日3食をマクドナルドの特盛を食べで過ごしたら、30日でひどい病気になったという「スーパーサイズミー」というドキュメンタリー映画」の存在や「ファーストフードを食べ過ぎると身体に悪いということが、一般的に広く認知されている」といった、21世紀日本社会の常識がないと笑えない部分です。

漫画といえども、いろいろとその時代の空気感を知ってないと笑えない部分がある、という話です。

タロットも似たようなことが言えて、 トートタロットやウェイトタロットなら19世紀後半~20世紀初期の歴史、についての知識が増えると面白さが増える部分というのが色々と隠れている可能性があります。

クロウリーやウェイトを生んだ19世紀後半~20世紀初頭のイギリスですが、この時代、イギリスが全世界を支配していた時代といってもウソではありません。21世紀前半では米国が唯一の超大国ですが、20世紀初期は英国が超大国の地位にいました。

英国はもともと世界帝国だったわけではなく、エリザベス一世の時代、日本は豊臣や徳川の時代、17世紀初頭の英国は辺境の島国でした。

この時期の有名な占星術師にエリザベス女王にも重用されていたジョン・ディーがいます。大英帝国という言葉がありますが、「ブリテン帝国」という発想を最初に提唱したのはジョン・ディーだと言われています。

エリザベス女王以前のイギリスって、イングランド王国(イギリス南部)やスコットランド王国(イギリス北部)はあっても、ブリテン島としての統一帝国という発想はなかったところに、「ブリテン島全体の連合王国」みたいな視点を提供したという話です。


さて、20世紀初頭に話を戻して、ヴィクトリア女王の時代になると、英国は全世界に「英国のスタンダード」を押し付けることができる立場になっていました。21世紀でいうアメリカみたいなものです。


ただ、「星々までも征服せん( I would annex the planets if I could)」(セシル・ローズ)なんて表明する征服王的な政治家がいた大英帝国ですが、一方で「自分たちの価値観を一方的に押し付けるだけでいいのか?」という疑問をもつ人たちもでてきます。

自分たちと異なる文化や宗教へのまなざしという視点でいうと

20世紀以前)自分たち以外の世界は、シンプルに未開な世界(そのうち進化して自分たちのようになる)と見ていた
20世紀以降)他の世界も、そっちはそっち独自の価値があるんじゃないかと思い出した

という変化が起きだした時期ということです。

さて、このグローバル化によると思われる自己意識の変化への反応って、20世紀初期のタロット作品にも影響が出てるのではないかという気が個人的にします。

東洋的なものとの距離感という意味でいうと

トート版) 東洋の智恵も面白いから、自由な発想で色々と取り入れてみよう (スートに陰陽マークが入ってたりする)
ウェイト版)それはふまえた上で、やっぱり自分たちの伝統的な世界が最強だろう(東洋的な絵柄はない)

くらいの印象でしょうか。

多様化した世界を踏まえて、伝統回帰を選ぶか、新世界を作ることを選ぶか、という発想の方向性の違いですね。

 

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nakajima oumi

nakajima oumi

シンボルと寓話の研究家。作家 「キレイはキタナイ、キタナイはキレイ」

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