タロットカードやオラクルカードの意味は覚えるほうがいいのか、覚えないほうがいいのか、これはよく話題になることの1つです。どちらでも「単に何かの役に立つタロット」という意味では成立しますので、意見が分かれやすいところです。
覚えない派の意見
別にカードの意味など覚えなくても、質問に対して絵を見て思い付いたことを言えば成立するので覚える必要がない。丸暗記した意味をただ言うだけ、解説書をただ読むだけ、では何の面白みもない。
覚える派の意見
確かに、カードの意味なんて覚えなくてもセッションは成立する。ただ、そこを完全に無視した場合「チャネリング」や「霊視」と何も変わらないので、カードを使う意味がない。それってつまらない。
私の意見
個人的な希望をいうなら「カードの大本の意味や概念」を理性的にも理解した上で自由に遊んでほしい、というところになりますし、そのほうがカードならではの楽しみ方ができるのではないかと思っています。
まず基本の型を記憶する、練習する、最後に型から距離をとる、というスタイルです。
古いタロットの場合、「そもそも元の意味とか基本概念とかあるのか??」という根本的な問題があるのですが、ウェイト・トートなどの近代以降のタロットの場合、また現代の印刷物であるオラクルカードの場合は、一応「作者公式」的な定義があります。
なので、そこをさらっと押さえたうえで自分なりの発展的な解釈を育てていくという、巨人の肩に乗る方式は可能です。
この辺、1つのテキストからいかに多様な解釈を引き出すかという意味では、聖典の解釈とも似た楽しみ方があるでしょう。元のテキストを消滅させなくても、解釈はどうとでも変更できますので、意外と自由度は高いものです。
例えば、「人間には寿命というものができてしまった」というストーリーがあったとして、「だから人生なんてはかない」と解読してもいいですし「限られてるから人生は美しい」ととってもいいですし、解釈は人の数だけ多様に展開されうるものです。
あるいは、「人間たちが天まで届く塔を建てようとしたが、唯一神はそれをよしとしなかった。そして人々の言語をバラバラにしてしまった。」というストーリーがあった時に、それをどう解釈するかも色んな解釈が可能です。
キーワードで解読するにしても「DEATH」「変容」みたいな1つのキーワードからでも多様な解釈は可能ですので、多少のことを暗記したところで「楽しさ」が損なわれることはありません。
霊視ではなくタロットカードやオラクルカードというゲームを楽しみたい場合は、最初の段階では一度は公式設定みたいな意味を暗記するというプロセスを通ったほうが、面白い使い方ができるのではないかと思います。