Symbols on The Emperor
王冠、マントの下の鎧、羊の装飾の玉座、宝珠、王勺(棒)、山、正面向きの人物
1.王冠
精神性の高さ、永遠とのつながり、王権の象徴(regalia)
2.マントの下の鎧
戦う、領土を守る、鎧
3.羊の装飾の玉座
勢い、おひつじ座
安定、石の玉座
4.宝珠
精神的なリーダーシップ、地球(を統治するイエス・キリスト)、王権の象徴(regalia)
5.王勺(棒)
実際的なリーダーシップ、導き手の杖、王権の象徴(regalia)
6.山
厳しさ、天と地をつなぐ場所
7.正面向きの人物
現在を見つめている(上でも下でもなく)、実務家
コメント
鎧をきているのはこの皇帝の大きな特徴の1つだと私は思っています。ヨーロッパの皇帝は基本的に「戦士職」なのですが、そのことがよくわかる描写の1つです。近代のナポレオンから古代のアウグストゥスまで、基本的に軍事指導者としてのキャラを持っているのがヨーロッパの皇帝の特徴です。
ただ、古い版(マルセイユ)やトートでは「盾」が、この絵(RWS)では「鎧」が描かれているように、戦う人といっても「攻撃よりは防衛」のほうによったイメージにタロットではなっていることが多いです。
国を守ることが皇帝の第一の義務、と考えると「征服して領土を広げること」よりも「国を守ること」のほうが優先度は高いのかもしれません。
「万里の長城」を作った中華の皇帝ではないのですが、タロットの皇帝は「防衛戦の指導者」というイメージを持っておくと使いやすいのではないかと思います。
玉座の羊の装飾などでさりげなく組み込まれている占星術とのリンクでは「皇帝=おひつじ座」なので動的な解釈になると思いますが、皇帝自身は玉座に座って動かないイメージで描かれていますので安定のイメージがあります。色んな角度での解釈がしやすい絵になっているのはタロット絵の特徴の1つと言えます。