THE Tower 天罰という神話の人間世界への影響力について

タロット

バベルの塔にせよノアの箱舟にせよ「天罰」が重要なキーワードであるストーリーです。傲慢になった人間や堕落した人間に怒った神が世界を滅ぼすという物語は「天罰」の物語であると言えるでしょう。

「嘘ついたら閻魔様に舌を抜かれる」「死後に審判を受けて天国か地獄かが決まる」なども超越的存在から罰を受ける可能性があるという意味では似ていますが、バベルの塔のような「天罰」とは少し違うタイプの概念です。

天罰の特徴1 世界全体レベルの災厄につながる

「天罰」の特徴として「地球が爆発。世界が滅亡。銀河系が壊れる。日本列島が沈む」みたいな全体レベルの災厄を引き起こすというものがあります。

世界のすべてがメソポタミア地域だけだった人にとってはその地域が沈む洪水は「世界の終わり」ですし、日本列島の住民からしたらニッポン沈没だけでも十分に「世界の終わり」に匹敵します。

この意味で「天罰」は「環境問題」とよく似た構造を持っています。一部の人間の行動が、ほかの多くの人たちに、ひいては地球全体に悪影響をおよぼすからです。

公害企業が工場から毒を垂れ流すことを例にすると、汚すのは一部ですがそれがその地域全体や場合によって地球全体にまで類を及ぼします。

天罰の特徴2 連帯責任の意識を育てる

ノアの箱舟の場合、「一部の人間たちの不道徳→セム族唯一神による世界の滅亡」につながるという神話になっているのがポイントです。「1人でも掟に背くものがいれば、共同体全体が亡びる」という思想教育をするストーリーになっています。

ユダヤ人の神がモーゼに授けた掟が普遍的に正しい内容かどうかはさておきます。(ex 唯一神としてのYHVH(ヤーヴェorエホヴァ)のみを信仰せよ、という戒律はアブラハムの神を信じる者に対してしか意味をなしません)

ただ、「1人のユダヤ人の掟への違反が、ユダヤ人全員の滅びにつながる」というストーリーの教育は「強力な結束力を持つ組織」を作る力をもっていたと推測できます。

第一次ユダヤ戦争では、ユダヤの戦士たちがマサダ要塞でローマ帝国を相手に3年間戦い抜き、最後には集団自決を選んだという話があります。そういう強い集団を支える思想的基盤の1つは「1人の裏切りは全員の滅びにつながる」という神話だと思います。

天罰の概念で観察する意味

例えば「会社をやめたい」みたいな悩みがあった時に、収入の問題ではなく「自分が抜けたらみんなに迷惑がかかる」みたいな感情が邪魔になっているとしたら、「天罰」的な思想教育が邪魔しているだけという可能性もあります。その辺はやめる側の立場なのであれば「気にしない」ことが重要です。

あるいは「ルールを共有したい」といった悩みであれば、「セルフで監視をしてもらう」という意味で天罰という神話は1つヒントになる可能性があります。

例えばコロナ以降に「マスク着用という規制」が各地で成立しました。こういうものも「みんながやらないと、人類全体に大きな被害が」的な天罰的な恐怖心による裏付けが動いたと見ることができます。

人が密集している屋内空間を対象としたマスク着用規制はさておき、人がほとんどいない野外でマスクをしている人が見られるのはよくわからないものへの恐怖心による行動として認識したほうが正確でしょう。

 

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nakajima oumi

nakajima oumi

シンボルと精神世界の研究家。 「キレイはキタナイ、キタナイはキレイ」。日本文化と欧米文化は異なるからこそ面白い。

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