(タロット)力のカード( force strength lust ) の違いを考えてみよう

タロット

タロットのいわゆる「力のカード」は女性と獣(ライオン)というモチーフは変わりませんが、配当されている単語にいくつかのパターンがあります。同じ絵にどういう言葉を選ぶかはエディターの腕のみせどころの部分なので、注目してみると面白いかもしれません。

力のカードの単語の違い

マルセイユ版 Force
ウェイト版  Strength
トート版   Lust

(GD版はStrengthでウェイト版とかぶったので割愛)

考察

トートは作者が「汝の欲することをなせ。」という思想なだけあってLust(欲望)を選んでいます。これは、「やりたいことをやる力」という実行力的な力だと思います。言い換えればpowerでしょうか。また、Lustは「動き」を感じられるワードな気が私はします。

ウェイトは「Strength」を選んでいますが、これとマルセイユの「Force」との違いを考えてみます。

タロット文脈なら男性性が強めのForceやLustと女性性が強めのStrengthと読んでもいいかもしれません。「純粋な力、強制的な力の行使のイメージがあるForce(外に働く力)」と「勇気などのイメージもわりとあるStrength(内に働く力)」というイメージです。

マルセイユ版の絵の女性はわりと直接的なパワーを感じられるのに対して、GD版やウェイト版の絵の女性はライオンをねじふせているのではなく仲間にしている感じです。


英語の名言でイメージ

Strengthの名言

”Strength does not come from physical capacity. It comes from an indomitable will.”
マハトマ・ガンジー(インドの独立運動の指導者)

 

Forceの名言

”Water is the driving force of all nature.”
レオナルド・ダ・ヴィンチ

“May the Force be with you“
 (スターウォーズ)

”which now they hold by force , and not by right”
シェークスピア(ヘンリー4世)

中間まとめ

個人的には、内面的な精神力なStrengthと、純粋な力あるいは何かを動かす力としてのForce、という印象です。マルセイユ版のForceはフランス語で読むべきかもしれませんが、ぱっと辞書を見る限りは極端に変わらなかったので、取り急ぎ英語のForceと比べてみました。

 

nakajima oumi

nakajima oumi

シンボルと精神世界の研究家。 「キレイはキタナイ、キタナイはキレイ」。日本文化と欧米文化は異なるからこそ面白い。

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