孫子に学ぶ自己分析

知的に幸せに

今日は孫子に学ぶ自分探しということでお送りします。

みんながどこかで聞いたことがある孫子の言葉に

「彼を知り己を知れば百戦してあやうからず (知己知彼百戦不殆 ) 」(孫子 謀攻編)

という一節があります。戦いにあたって、敵味方の現状を正しく把握していれば、何があっても大丈夫ということです。あやうからず、ということは、百戦して百勝というわけではありません。相手のほうが圧倒的に強い場合はそもそも正面きって戦わないということでもあります。相手の実力も自分の実力もわかっていれば、勝てる時は戦い勝てない時は戦わないので百戦してあやうからずなのです。

では、孫子は国同士の力を分析する時にどこを見ているのでしょうか?「道・天・地・将・法」をみています。

1.「道」は、民衆と君主が理念を共有することができているかということです。
2.「天」は、天候や気候や天意に沿っているか、などの天候的条件です。
3.「地」は、地形など、地理的条件や距離的条件などです。
4.「将」は、優れた将軍(指導者)がいるかどうか。
5.「法」は、規律や法がきちんとある状態か、などです。

もともとの孫子は軍事情勢を比較検討するための視点ですが、これを「1人の人間という王国が正しく統治されているか」という視点で超訳して、自己分析に応用してみましょう。

1.「道」は、本当に自分がやりたいことを淡々とできているか? です。

これは、意識を君主、無意識を民衆と考えて超訳して見ていきます。

人間は、本心から「やりたい」と感じたことをやっていると、なんだかんだいって幸せに楽しく過ごせます。ここが大きくずれていると「望むことが現実にならない」「なにか違う気がする」という不幸感のある状況が永遠に続いてしまいます。努力なしで物事を形にできる人というのは、ここのズレが非常に少ないのです。

2.「天」は、例えば地球のためにとか日本のためにといった、より大きなものに貢献する意識があるかという部分です。

実際問題、水がなかったり空気がなかったり法秩序というものがなかったら、まともな経済活動はできません。当たり前のものの存在に感謝するという意識も必要です。

3.「地」は、住みたい場所に住めているか?今住んでいる場所に満足しているか? という部分です。

人間は住む場所からそれなりの影響を受けるといいます。住む場所を変えるだけで体調がよくなるようなことはあります。今の場所に不満があってもとりあえずよしとすることが
できるかどうかというのは重要です。

4.「将」は、具体的にやりたいことをやるための知識は十分か? という部分で見ていきます。
君主ではなく戦場で実務をつかさどる将軍の段階なので実務知識という視点で超訳します。

写真が好きならカメラの扱い方の最低限の知識は必要です。
自分のビジネスを立ち上げたいなら最低限は会計知識も理解しておくことが必要ですし、
セールスやマーケティング、コピーライティング等の知識もある程度は必要です。
パソコンでゲームを作って遊びたいならプログラミングの知識は必須です。

好きなことをするためにはそのための知識を持っておく必要があるのです。

5.「法」は、自己管理が破たんしていないか?という点です。

行きたくない会社に行くのに遅刻するのは心理的には健全な反応なので問題ありません。これはさっさと転職するか起業するかすべき状況です。現代は、サラリーマンや公務員なら定年まで安泰とは言い切れない時代になっていますので、我慢して会社員や役人を続けることが必ずしも安全策とは言い切れなくなってきています。

ただ、自分が大好きなイベントや旅行などで遅刻をして被害を受けているようだと、単純に自己管理に問題があるというべきです。

この5つの視点で自分を振返ってみると面白いでしょう。

まずは「やりたいと感じたこと、こうしたいと思ったことをやれているか?」「自分が正しいと信じたことを行えているか?」というのが大事な部分です。

 

nakajima oumi

nakajima oumi

シンボルと精神世界の研究家。 「キレイはキタナイ、キタナイはキレイ」。日本文化と欧米文化は異なるからこそ面白い。

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