Symbols on The Magician
薔薇、百合、百合と薔薇、天を指す棒、地を指す指、頭上の八の字、ベルトの蛇、机の上の道具(カップ、ペンタクル、ソード、棒)、机の板の模様(鳩)、鉢巻
1.薔薇
薔薇(バラ)、幾何学的な美しさ、美や快楽、イギリス王家など
2.百合
百合(ゆり)、野の花のような美しさ、聖母マリア、花嫁(雅歌)、フランス王家など
3.百合と薔薇
谷間の百合、シャロムの薔薇 (雅歌2-1)(旧約聖書)、男女の恋愛、「人間→神(キリスト教)」の愛と「神(キリスト教)→人間」の愛
4.天を指す棒
宇宙、動的、ひろげる
5.地を指す指
大地、静的、おさめる
6.頭上の八の字
無限大、万物の根源(第一原因)とのつながり
7.ベルトの蛇
蛇、不死性、知恵、医術(ギリシャ神話)、狡猾(聖書神話)
8.机の上の道具(カップ、ペンタクル、ソード、棒)
四大元素、世界の縮図、形代、シンボル、召喚の依り代
机の板の模様(鳩)
鳩、聖霊(聖書神話)、ビーナス(ギリシャ神話)
9.鉢巻
頭部、アース(解放)、集中
コメント
ウェイトの設計によるこのタロット(RWS)は、随所随所に「キリスト教世界的なモチーフ」が盛り込まれているのが特徴の1つです。
キリスト教世界で(白い)鳩といえば「聖霊」のシンボルです。
西洋絵画の世界で聖霊といえば「洗礼のシーンで鳩のカタチで天から降りてくる」みたいな絵画が有名です。 (キリストの洗礼 アンドレア・デル・ヴェロッキオ + ダヴィンチ)
ただ、「洗礼」のような「人の子を聖なるものにする」以外の聖霊の働きとしては「啓示の理解力を上げる」というパワーもあるようです。
「有限の存在である人間が、なぜ無限の存在(神)の啓示を受け取ることができるのか?」「それは聖霊がコミニュケーションの能力をアップする何かを与えてくれているからだ」
みたいな話がキリスト教世界にはあります。人間には本来は神のことなど理解できるわけがないという前提があって、人が神から何かを受け取れるのは聖霊の恵みによるという設定です。
さて、話が合う相手というのは気を遣わずにお互いに会話が可能な相手です。楽しいコミニュケーションは視界の広さが同じでないと成立しにくいものです。
魔術師は四大エレメント全てのアイテムをテーブルに並べて天と地をさしていますが、これは東西南北天地「360度全方位でコミニュケーションを取る準備ができている」ということを暗示しているのかもしれません。
なお、古い版(マルセイユ)ではこのカードはもともと「奇術師」でした。テーブルの上にのるのが賭博(ギャンブル)や手品の道具になるのか魔術の道具になるのかがライダー版以降と以前の大きな違いの1つです。