死神というと「どくろ」のイメージなのは東西共通なのかもしれません。古典落語にも「死神」という演目があり、こちらは寿命を司るロウソクをコントロールする力を持っています。西洋の死神は大鎌を手にした骸骨のイメージが定番です。
「死」というのは今のところ、唯一全ての人間に対して平等にやってくるものの1つです。
人間には生まれた環境や遺伝子によってさまざまな差異が存在します。例えば運動能力ですが足が速い人もいれば遅い人もいます。誰でも最高の環境で全力で努力すればオリンピックで金メダルをとれるかといったらとれません。
遺伝子・環境・運、様々な要素が関わってくるので「頑張れば誰でも金メダル」ということはありえません。また、何か1つのことに専念できる環境があるかどうかというのも生まれた環境でだいぶ左右されます。
個人的に他人の体質にうらやましさを感じたものの1つは「視力」で、24時間パソコンの前にいますみたいな不健康な生活を50年つづけても裸眼視力2.0キープみたいな人もいます。
ところで死に関しては全ての人に対して平等に訪れるという特徴があります。将来的には仙人になって不老不死になるみたいなルートが現実化する時代もくるのかもしれませんが、今のところは誰であれ寿命になれば他界するのが一般的な事例です。
いくつかの死後の世界
現世と同じ環境で天国になる(美味しいご飯がずっと食べ放題みたいな)、完全に何もなくなる、神々の世界に転生する、地獄のような世界に転生する。宗教や地域や時代によって色んな転生観があります。
物質的な方に寄せた描写だと「美味しいお酒がひたすら飲み放題」みたいな描写をする宗教もあったと記憶しています。
現代のアニメ・マンガなどを見ると、すごくハイスペックな状態で異世界に転生する、低スペックな状態で異世界に転生する、などの方向の死後の世界も流行です。輪廻転生の現代版ですね。
だいたい人間(低スペック)から人間(高ハイスペック)に転生する物語が多く、エリート(高スペック)からスライム(低スペック)になるものは少な目と言えるでしょう。
現世はひどいから来世は救われたい願望
死後の世界の昔ながらの伝承や異世界転生の現代の物語群は「現世はしょうもないから、来世では救われたい」という願望が人類社会にとって普遍的なものであることを示しているといえます。
そういう意味では「死(DEATH)」という概念は「一番の恐怖でもあるけど、大きな救いでもある」という複雑なイメージを持っているわけです。