なぜ次世代エネルギーは批判を受けるのか?

エッセイ

2011/3/11の東日本大震災によるフクシマ原発の事故以降、次世代エネルギーということを多くの人が以前よりも真剣に考えるになりました。ただ、次世代エネルギーへの批判も相次いでいます。批判の理由として

1.まだ開発に成功していない
2.実用化へのハードルがたくさんある
3.まだ一般普及させる段階の技術になっていない

等々の要素があります。これらはもっともな事で、明日からすぐ切り替えることができるかといったら難しいでしょう。ただ、マスコミなどでは詳しく報道されないので多くの人が意識していないことがあります。

それは

「誰かの利益は誰かの損失」「誰かの損失は誰かの利益」

という簡単かつシンプルな話です。

お金の移動に限って言えばセブンイレブンに毎日よって買い物をしていた人が毎日ローソンに行くようになれば、セブンイレブンにとっては損失でローソンにとっては利益です。

石油にかわって海水から水素を抽出して発電する、こうした新しい仕組みが実用化できれば、四方が海の日本国は万々歳です。宇宙太陽光発電(宇宙に発電用衛星を作って地上に電気を転送する)も実用化段階に入れば、日本国にとっては万々歳です。SF世界の核融合炉のようなクリーンな原子力新技術が実用化されればこれも多くの人は大喜びするでしょう。

しかし今の産油国の経済や石油関係会社は軒並み大きな打撃を受けるでしょう。既得権益を持っている勢力の中には、新興勢力が出てきて取って代わられないかどうかという恐怖が存在しているのです。また先端技術というのは軍事技術とも密接に関係しますので、「軍事力による優位」という既得権益を手放したくない国にとっても不利益となります。

歴史を振り返ってみると

*20世紀前半
自動車の普及 → 馬車の衰退

*21世紀前半
インターネットの普及 → 新聞・TV等の影響力の減少

こうしたことはいつの時代にも起こることであって、旧勢力の抵抗運動は長期的には失敗に終わります。季節が巡るように古いものは新しいものに交代していくのが自然の摂理です。もし新勢力側の立場にいるのなら、抵抗を受けるということに対して淡々と対応していくことが大切です。もし旧勢力側にいるなら世の中の変化にあわせて転身の準備をしておくことが大事です。

 

nakajima oumi

nakajima oumi

シンボルと精神世界の研究家。 「キレイはキタナイ、キタナイはキレイ」。日本文化と欧米文化は異なるからこそ面白い。一般論や常識に違和感がある方歓迎。

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