タロットとヘブライ語アルファベット

タロットカードには、ヘブライ語のアレフベートとの対応表があります。ウェイト博士(ウェイト版作者)とかクロウリー(トートタロット作者)などの時代からあるものです。アルファベットが22文字、タロットの大アルカナが22枚、でちょうどよかったのでしょう。日本語だったらいろは47文字やあいうえお50音と対応させて神事のシステムを組むような発想です。

対応表

番号 カード名 象徴対応 ヘブライ文字
0 愚者 男性原理的な「風」(天王星) Alef アレフ
1 魔術師 水星 Bet ベート
2 女教皇 Gimel ギーメル

3

女帝 金星 Dalet ダレット
4 皇帝 おひつじ座(白羊宮) He ヘー(Tsadi ツァーディー)
5 法王 おうし座(金牛宮) Wau ヴァウ
6 恋人たち ふたご座(双子宮) Zayin ザイン
7 戦車 かに座(巨蟹宮) Chet ヘット
8 しし座(獅子宮) Tet テット
9 隠者 おとめ座(乙女宮) Yod ヨッド
10 運命の輪 木星 Kaf カフ
11 正義 てんびん座(天秤宮) Lamed ラーメド
12 吊るされ人

女性原理的な「水」(海王星)

Mem メム
13 死神 さそり座(天蠍宮) Nun ヌーン
14 節制 いて座(人馬宮) samech サメフ
15 悪魔 やぎ座(磨羯宮) AYin アイン
16 火星

Pe ペー

17 みずがめ座(宝瓶宮) Tsuadi ツァーディー(He へー)
18 うお座(双魚宮) Kof コフ
19 太陽 太陽 Resh レーシュ
20 審判

昇華的な意味あいの「火」(冥王星)

Shin シン
21 世界 土星 Tav タウ

※表はウェイトタロット対応です。トート式はヘーとツァディーが入れ替わり(「ツァーディーは星ではない」)、正義と力が入れ替わります。

使い方例1

この表を使うと、例えば正義はLamed (ラーメド)となります。で、L(正義) → LIBRA(天秤)という遊び方ができるようになるわけです。(西洋式の正義の女神のお約束の持ち物は天秤)

アルファベットのどの単語を紐付するかは、別に答えが決まっているわけではないので、自分で気に入った単語をどんとひもづけして遊んでみるとよいです。

日本語でもよいのですが、少し非日常的な言語のほうがたぶん楽しいです。英語でもいいですし、イタリア語やラテン語などの辞書で遊ぶのも、発音であまり悩まずにすむのでおすすめ。(ローマ字読みでほぼOK。)

D(女帝)→ Deidicatus (献身的な / de 下 dicare 宣言する tus 過去分詞,devote,dedicate (英))deidicatus ラテン語  発音 デイディカートゥス

I(隠者)→ Inocentius(純粋) 発音 イノケンティウス

S(審判)→ Salvare(救う)  発音 サルウァーレ

など。ちなみにデイディカートゥスは、「とある魔術の禁書目録」というマンガの主人公の魔法名です。(Dedicatus545 献身的な子羊は強者の知識を守る)

使い方例2

より、カンタンな方法としてはアレフベートの絵文字として意味を調べてそれを使うことです。
例えば、トートタロットの愚者のカードには「アレフ」の文字が描かれています。
この文字は「雄牛」を、またアルファベットの「A」を象徴します。
ということは、「雄牛」のもつ 「力強さ」を象徴する力が、愚者のカードには備わっている ということです。

アレフをシンボルとして読む場合

ポジティブな感じなら>>「牛のように勢いよく!」ととる。
ネガティブな感じなら>>「猪突猛進するな」ととる。

という感じでリーディングに加えてみるとよいでしょう。

なお、ヘブライ文字は絵文字に近いので、絵として読むことも大事です。

例えば、一般的な連想でいうと、■は安定感が、☆は躍動感が、それぞれあると思います。

そういう風に絵としての記号そのものから「安定感を感じるか。躍動感を感じるか」と判断していくとよいと思います。

また、ヘブライ文字や占星術記号や生命の樹の対応を使う場合、 シンボルを見てたくさんの連想が出せるように事前に知識を収集しておくことが重用です。

 

 

応用編

アルファベットを象徴として活用してタロットに応用する方法です。こっちは仕込みが必要ですが、より面白いと思います。

まずアレフベートの文字の意味、アレフが牡牛など、を調べて把握することが大切です。アルファベットももとは絵文字の要素があるのです。そのうえで、いまのアルファベットでいうとどの文字になるかを調べて、その文字で始まる言葉を自分の感覚で関連付けしておきます。そうして仕込みをしておくと、「I→Inocentius(純粋)」みたいにある種のアルファベット占いが可能になります。

英語などの普段目にすることがある外国語でやると「I」ひとつとっても大量にイメージが出過ぎることがあります。その場合、非日常な言語、例えばラテン語の格言をリンクさせてみるのも一つの方法です。

Beth(魔術師)→Basis(礎(いしずえ))
※Basis virtutum constantia(堅固な意志こそ、美徳の礎)

自分の意志を世界の基盤とするのが、魔術師。

Wau(教皇)→F →Fortis (強さ )
※Fortes fortuna juvat. (運命の女神は、つよき者を助けく)

ヘブライ文字のWauは、Fの起源なのでこうなります。文字の意味としては釘なので、例えば、天と地を結び付ける釘、と解釈することができます。

また、Wau、Fは、男根の象徴でもあり、女性生殖器の受動性に対して積極性を象徴します。これは、坊主絶倫、ということで記憶しておくとよいでしょう

※FortesはFortisの複数対格

He(皇帝)→ Honos(名誉)
※Honos alit artes.(名誉は学問を養う)

ラテン語Honosは、honor(英)の語源ですね。騎士は名誉を重んじる。将軍は名誉を貴ぶ、というところでしょうか。

※ラテン語格言の参考引用元( http://www.kitashirakawa.jp/taro/ )

nakajima oumi

nakajima oumi

シンボルと精神世界の研究家。 「キレイはキタナイ、キタナイはキレイ」。日本文化と欧米文化は異なるからこそ面白い。

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