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日本の神話のワニはサメのこと?

日本の昔話には海のワニがあちらこちらにでてきます。例えば、因幡の白ウサギは、ウサギがワニを騙そうとして失敗するという話です。山幸海幸の話では、ワニにのって主人公が海の宮殿から地上に帰還します。浦島太郎では亀に乗って往復しますが似たような話です。さて、このワニがなにをさすのかという解釈は議論がやかましいのでちょっとのぞいてみましょう。

主に、ワニ=ワニ(爬虫類)説とワニ=サメ(魚類)説がバトルになっています(笑)

1.ワニ=ワニ(爬虫類)説
これは素直に読む説です。アフリカ・東南アジア等々に生息する爬虫類のワニであるという説です。これは物語をそのまま採用する説です。

2.ワニ=サメ(魚類)説
これは、日本近海にはワニはいないのでサメ(魚類)のことと解釈する説です。

3.ワニ=龍(幻獣)説
これは古事記でワニがでてくる話が日本書紀では龍になってるという話からです。神話世界の話なので現実世界のワニとは別ものであるとして解釈する説です。

さて、ワニ=サメ説について考えてみましょう。確かにサメ(魚類)をさしてワニと呼ぶ地域があることは事実です。ただ、今の日本にワニ(は虫類)はいないというのが主な根拠になっているようです。そうすると「今の日本にワニ(爬虫類)はいない」という自分の現実に物語をあわせる解釈になります。この論理で神話のワニをサメ(魚類)と解釈するのは「視野の狭い」説といえます。過去の情報と自分の現実が対立した時に、自分の現実のほうにあわせるという話だからです。

実際には、色んな推測は可能です

  • 東南アジアやアフリカに住んでいた人達が日本に移住してきた時に物語も持ってきた
  • 歴史以前の日本人の活動領域が東南アジアやアフリカあたりにまで広がっていた
  • そもそも神話なんだから空想世界の動物も出てくるので気にしなくていい
  • 物語のできた時代の日本列島は今と違ってワニ(爬虫類)がいた

など、いろいろと推測のしようはあります。

実はワニ(爬虫類)の化石というのは、日本でも大昔の地層(更新世 ざっくり45万年前)からは発見されています。マチカネワニというワニは、古事記に登場するワニの姿になって出産したトヨタマ姫にちなんで学名を、Toyotamaphimeia machikanensis  と名付けられています(笑)

なので実際に日本列島にワニがいた時代から、列島に人間がいて、その時代の物語が形を変えて古事記の時代まで伝わっていたと考えるのも面白いと思います。

一般に、北京原人などは約50万年前、ネアンデルタール人などは約20万年前、と推測されています。45万年前から人間が地球にいたのは確かです。明石原人というもはやきちんと調査しようもないものもあるのですが、あれが発掘時点できちんと調査されていれば、意外に45万年前の日本列島にいた原人という結果が出ていた可能性はあります。

ワニ=淡水に住む、的なイメージが強いですが、実際には海で活動するワニは現代でもいます。イリエワニ(Crocodylus porosus)などがその例です。このワニはインド東部・東南アジア・オーストラリアあたりに生息しますが、wikipediaによると奄美でも目撃例があるようです。

折口信夫ではありませんが、現代の日本列島にワニ(爬虫類)がいないからサメ(魚類)として解釈するというのは、「気が短すぎる」説です。自分の住む世界の常識と神話の世界が同じでなければ気が済まないという非常に近視眼的な解釈だからです。常識などというものは、実際には非常にいい加減なもので常に変化するのです。
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あと、ワニ=サメ(魚)にしてしまうと、ウサギがワニの上にのって島から海岸まで移動したという因幡の白兎の話のお話的リアリティーが減ります。比べてみると、サメ(魚類)の上よりワニ(爬虫類)の上のほうが乗りやすそうです(笑)

 

所長
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ストーリー(神話)・ストラクチャ(構造)・スピリチュアル(精神世界)、3つのSな視点から物事の起源を見るインスピレーションを鍛えるサイトです。所長のキャラは、愛のあるドSです。モットーは「遊びをせむとや生まれけむ、戯れせむとや生まれけむ。」
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