自分を変えるストーリー

エッセイ

寝る前に、お母さんがお話を読んでくれた。お父さんでもいいですが、こんな思い出をもっている人は少なくないと思います。

人間は生まれてこの方、たくさんのストーリーに囲まれて育ちます。このストーリーは人間の性格に大きく影響を与えます。

1.アリとキリギリス的な
「先々のために我慢することが吉」的ストーリー
(楽しみを先延ばしする修行者)

2.宇宙戦艦ヤマト的な「生きるためには戦うことが必要」的ストーリー
(戦う英雄)

3.ゼウスやオオクニヌシ的な「男はあちこちに恋人がいてなんぼ」的ストーリー
(恋多き英雄)

4.ヘラやスセリヒメ的な「女は男性の浮気に嫉妬してなんぼ」的ストーリー
(嫉妬する姫)

5.水戸黄門的な「善人は必ず救われる」的ストーリー
(救済)

6.ガンジーの独立運動のような「圧倒的な弱者でもやればできる」的ストーリー
(修行者的な)

7.ドラエモンのような「人間は同じ失敗を繰り返すもの」的ストーリー
(母性的なキャラと少年的なキャラ)

あげればきりがありません。

好きなストーリー=好きな価値観

と考えてもそんなに外れではないでしょう。

 

ストーリー=価値観、と考えた場合、私は

「すぐ使えることはすぐ使えなくなる。すぐ役に立つことより役に立たないことを学べ。」

というストーリーが好きです。

すぐ役立つものというのは、「今週はスイカが美味しいよ」的な情報です。これは期間限定のお得情報です。当然時期が過ぎれば役に立たなくなります。ところで、「旬の食べ物を食べると、美味しくて体にいいよ」という情報はどうでしょうか?

「旬の食べ物は美味い」というのは賞味期限のない情報なわけです。旬の食べ物という言葉は抽象的なので、夏は西瓜、冬はりんご、みたいに応用がきくわけです。

たくさん覚えるのはメンドクサイです。

春はじゃがいも・たまねぎ
夏はきゅうり・とうもろこし
秋はかぼちゃ・まつたけ
冬はみかん・うなぎ

 
などを、細かくフォローしていくときりがありません。まず「旬の食べ物が美味しい」とだけ覚えておけば、その都度「人に聞く。Googleで調べる」などすればすむわけです。Googleで調べるなんてインターネットに接続できる人なら1分もかかりません。だから「旬の食べ物は美味しい」いというのは一生モノの情報なわけです。

 

面白いストーリーにふれた時は、ストーリーの中のどんな価値観に共感しているのか、と考えてみると案外面白いことが分かるかも知れません。同じ話でも、どのキャラクターの視点で見るかで違う話になります。

nakajima oumi

nakajima oumi

シンボルと精神世界の研究家。 「キレイはキタナイ、キタナイはキレイ」。日本文化と欧米文化は異なるからこそ面白い。

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