アルテミス(Artemis) ギリシャ神話の狩猟の女神

神話的知識

アルテミス、ギリシャ神話の狩猟の女神、月の女神。ゼウスとレートの娘、アポロンの双生児。

アルテミスの特長・象徴するアイテムなど

1.弓矢を携えた森の美女
2.処女神
3.シカを従える
4.豊穣の神
5.月の女神
6.セレネ(月の女神)やヘカテ(魔術の神)と同一視されることも
7.ポセイドンの息子オリオン(狩人)との恋
8.自分の裸を見た猟師アクタイオーンを虐殺
9.聖獣は牝熊、鹿、猟犬
10.聖樹は糸杉
11.エペソスではたくさんの乳房を持つ豊穣の女神
12.ローマ神話のディアーナ(英語読みはダイアナ)と同一視される

アルテミスの解説

1.オーリーオーン(Orion オリオン)(英語読みはオライオン)

海の神ポセイドンの息子オーリーオーンはギリシャ随一の猟師として知られていた。狩猟の女神であるアルテミスは、オーリーオーンと次第に恋仲になっていく。

ところで、アルテミスの兄アポロンはオーリーオーンとアルテミスの関係を面白くなく思っていた。そこで、オリオンが海に入って頭部だけを出している時を狙って、アルテミスに「いくらお前でも、あの黒いものを射ることはできないだろう」と挑発。アルテミスは、オーリーオーンと分からず矢を放ち、オーリーオーンはアルテミスの矢によって死んでしまう。

オーリオーンの死体が海岸に打ち上げられたのを見て歎き悲しんだアルテミスは空にオーリーオーンを上げて星座としてその魂を慰めることにしました。

2.裸を見た猟師を惨殺

50匹の猟犬たちとキタイローン山で狩りをしていた猟師アクタイオーンは、水浴びをしていたアルテミスの裸を見てしまう。怒った女神は、アクタイオーンを鹿に変えてしまう。すると猟犬たちはアクタイーオンを襲ってバラバラに引き裂いてしまった。

3.エンデュミオーン(Endymiōn エンデュミオン)

エンデュミーンは非常に美しい若者で、ラトモスの山で羊飼いをしていました。月の女神アルテミスはこの若者の眠り姿にすっかり惚れてしまいます。

とはいえ、有限の命を持つ人間であるエンデュミオーンが老いて死んでいくことを憂いた月の女神は、エンデュミーンに永遠の眠りと引き換えに永遠の若さを与え、エンデュミオーンは夢の中で女神と何度も結ばれたとか。寝ている間のエンデュミオーンの家畜たちは狩猟神アルテミスが守ってあげているのだそうです。

(この話は月の女神セレーネーのものともされています。)

雑学

銀河英雄伝説(小説)には、「アルテミスの首飾り」という自動防衛システムが登場します。ガンダムSEEDにも宇宙要塞の名前として登場します。こちらは「アルテミスの傘」という防衛システムがあります。Fateというゲームにも恋人のオリオン(狩人)と一緒に登場するようです。

パワースポット的解説

純粋な想いが世界を守る

属性の似ている日本の神様

弓矢持つ女神という意味では、八幡神として祭られる三柱の神の一柱、神功皇后が似ています。皇后は母親、アルテミスは処女なのでそこは真逆キャラですが。

あとは、アマテラスもスサノオを迎撃する時は弓矢持つ乙女でしたので「弓もつ乙女」という意味では似ています。

月の神という意味ではツクヨミが同系統です。鹿を神使(しんし)とする点と狩猟神という意味では、タケミカヅチ(鹿島神社)と属性が似ています。

 

参考資料

ヴィジュアル版世界の神話百科―ギリシア・ローマ ケルト 北欧 (アーサー・コットレル) 原書房 (1999/09)
Wikipedia   ​https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%AB
完訳 ギリシア・ローマ神話 上<完訳 ギリシア・ローマ神話> (角川文庫 2012/6/25)
画像引用元 Wikipedia  <<   Thor’s Battle Against the Jötnar (1872) by Mårten Eskil Winge >>

 

nakajima oumi

nakajima oumi

シンボルと精神世界の研究家。 「キレイはキタナイ、キタナイはキレイ」。日本文化と欧米文化は異なるからこそ面白い。一般論や常識に違和感がある方歓迎。

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