神仏カードのメイキングをいくつかピックアップしてお届けします。
外箱の内側のデザイン
ここはサンプルを取り寄せた時は無地になっているものが多かったのですが、ちょっと寂しかったので、最初は「仏様カードでもあるわけだし、胎蔵界曼荼羅と金剛界曼荼羅をいれたいね」という話をしていました。
神仏カードといいつつ「御正体(鏡のことです)」など、カミ側のモチーフの存在感が大きめになっていたので、ホトケ側のモチーフを増やしたいという発想もあったわけです。
マンダラについて
金剛界曼荼羅と胎蔵界曼荼羅というのは、空海にはじまる日本密教のエッセンスを絵で表現したもので、現物は非常に大きなものです。
(下記画像はwikipedia より引用)
胎蔵曼荼羅
(準備中)
金剛曼荼羅
実際のマンダラはこの小さな仏様の絵の1つ1つがはっきり目に入ってくるので、非常にインパクトがあります。
空海が「密教の教えは、非常に深い話なので文字では伝えられない。曼荼羅というビジュアルで伝える」といった趣旨のことを語っているのですが、巨大な曼荼羅には、西洋の教会の巨大ステンドグラス以上の非常な迫力があります。
ただ、カード箱の大きさという問題があったので、「マンダラをそのまま入れるのは無理だなあ」ということになりました。
そこで、胎蔵と金剛をそれぞれ男性性と女性性の象徴として理解し、陰と陽のエネルギーを象徴するシンプルな記号を2つ置けばよしということにしました。
カード箱の大きさという制約があったので、巨大曼荼羅をあきらめて、ミニシンボルにしたわけです。
結局、上のフタには「三ツ輪」を、下のフタには「八角形(八葉の蓮華をイメージ)を十字形に並べたもの」をそれぞれ配置することにしました。
男性的な「集中」のエネルギーと女性的な「拡散」のエネルギーとをそれぞれ象徴するシンボルを配置できたことで、ヒーリングエネルギーの視点から見ると、箱の中に陰のエネルギーと陽のエネルギーの循環が生まれます。つまり、箱に収めておくだけで簡易浄化システムになるという寸法です。
精神世界ではなく単なる物流の話をすると、配送中に箱が壊れたら悲しいので、カード箱は物理的にも丈夫なほうがよいということで厚手のものにしたのですが、装飾的にも面白さを追求してみました。
箱の表面などに薄く入っている文字について
「世間虚仮唯仏是真」は、聖徳太子の名言で、「世間は仮のもの、仏の教えのみが真実」という意味です。推古天皇や蘇我馬子と並んで政治の中心にいましたが、仏教研究に打ち込んでいたといわれる太子らしい言葉です。
余談ですが、単に「タイシもしくはダイシ」というと、聖徳太子の場合と弘法大師の場合とあるようです。
「草木国土悉皆成仏」は、能楽などにも登場する日本仏教の言葉で、「草も木も大地も、みんな仏性を宿している」といった解釈で入れています。「あらゆるものにはスピリットが宿る」みたいな感覚に近い話ととらえて入れています。
日本の神仏カード メイキング 外箱 2