ファンタジー小説などで、「魔物の真の名前を知ると、魔物を支配できる」というモチーフが時々出てきます。ゲド戦記などが有名所でしょうか、使いやすいモチーフなのか十二国記などでも使われていました。ギリシャ神話やエジプト神話などにも「真の名前」が重要なテーマをもつ話はあります。「女が男に真の名を教えるのは結婚を許す時」といった発想は古代日本にもありました。「名が重要」というのは、古代世界においては世界的に見られる発想と呼べるでしょう。
このモチーフがなにを教えてくれるかというと、
「恐怖=正体が見えないもの&理解できないもの」「恐怖の本質がわかれば、恐怖は消える」
ということです。
例えば、ネット通販というものが、「あやしい」とされていた時代がありました。21世紀になったかならないかくらいの頃は
「ホントに商品送ってくるのかなあ??」
的な不安がありつつ購入していた記憶があります。
最近は、そのレベルの不安があるお店は減りました。自分もネット通販で買うことにも慣れてきましたし、世の中全体でネット通販のお店で買うことが普通になってきたからです。
今でも「あやしい」と言われることが多いビジネス業態にネットワークビジネスというものがあります。
これはITは全く関係ない商売です。実態は、富山の薬売りとか保険の外交員とかと、たいして変わりません。個人→個人、で店舗などを持たずに営業して物を販売する行商人スタイルの商売になります。
実は私も「どーせ詐欺商法だろう」と昔は思っていました。
ただ、たまたま知り合った人がこれで成功していまして、やってることを見てるとごくごくフツ―のご商売で、詐欺とかとは縁遠いのです。(そのかわり、楽して儲かるとも程遠いです。)
当時の私はその人のような生活スタイルで仕事をしたいと思わなかったので参入は見送りました。ただ、あれで幸せに成功する人も世の中にはいると思います。
要は、「知らない」「良くわからないもの」は「怖く」見えるけど、実態が分かってしまえば「怖くなくなる」のです。
「人間は、知らないものは怖く見える」
という「幽霊の正体見たり枯れた尾花 」ということは覚えておいたほうがよいでしょう。「怖い」とか「あやしい」と感じるということは、単に自分の理解の外にあるものだからなのです。
※余談
「リーダーは個人的な好き嫌いを表に出さない方がよい」とよく言われます。これ、分かりやすい反応ばっかりする人だと「怖さ」がないわけです。「どういう反応するかわからない」という「奥の深さ」もないと、「親しみやすい」ではなく「なめられる」になってしまうわけです。