苦行になる努力はしないこと

エッセイ

今は時代の変化が早いので、努力しても無駄になることはどんどん増えていくでしょう。

「頑張れば報われる。耐えれば報われる。我慢すれば報われる。」

というのは、旧時代の建前で、実際には報われないことも多いです。

会社員を例に考えると、1つの組織に30年40年勤続するのが普通の時代なら、最初の10年は奴隷、真ん中の10年は人間、最後の10年は神様、みたいに「最初の苦痛を最後の安楽で取り返す」というライフプランが描けます。

「魁!男塾」方式で言うと「奴隷の一号、鬼の二号、閻魔の三号」というノリです。

ただ、これは高度経済成長のような 「世の中が強烈に右肩上がりの時代」であればこそのライフプランです。毎年新入りが大量にはいってくるし、仕事は常にどんどん増える、という前提があってこそ「最初は奴隷でも最後はみんな神」という待遇が可能になるからです。経済全体が低成長の時代にこのプランをやりたいなら、20年後に大企業になりそうなベンチャー企業に入るしかありません。

そもそも、苦行すれば必ず結果が出るんだったら、オリンピックで優勝するためには毎日「熱湯の中に腕を突っ込む(盟神探湯)」的な苦行をすればいいということになります。実際は必要なことを正しい方向性でトレーニングした人が勝利するのであって、苦しいことをした人が勝利するわけではありません。

苦しければ必ず成果が出る。そんな都合がいい話が毎回成立するのはマンガだけです。現実には10回の苦痛があったら1回の快楽になればいいほうです。

では、苦労が報われない厳しい世界に住んでいる私達はどうすればいいかというと、必要なことを「楽しく」する小手先のテクニックを学ぶしかありません。

なんでも楽しい努力にするには、大きく3つの方法があります。

1.自分の好きなことと関係させて学ぶ努力をする
2.好きな人と一緒にやる
3.ゲーム化して努力の積み重ねを楽しむ

例えば、みんなが経験したであろう英語のお勉強なら

1.好きなアニメや漫画の英語版をみる。好きな洋画や洋楽を暗記するまで鑑賞する。
2.恋人や悪友と同盟を組んで勉強する。もしくはイケメンや美人の先生に習う。
3.1日1分でも勉強したら記録に残して、自分で自分をほめまくる。とにかく実践で使って使う楽しみを覚える。

などの方法があります。要は、無理やり楽しくすることです。

つまらないことでも、好きな人と一緒にやれば楽しくなることもありますし、うまいこと自分の好きなこととコラボさせられる場合もあります。インプットはつまらなくても、アウトプットは楽しいこともあります。

アニメ好きで英会話が必要になった人は、日本のアニメの英語版を暗記する勢いでたくさん見ればいいのです。のだめカンタービレというドラマでも主人公がこの手を使って語学学習をしていましたが、オタクな人には最速かつ最適な学習法だと思います。

楽しい事しかせずにすむようにするには、頭を使うことが大切です。「めんどくさ~い」という「嫌な物は嫌だ」な感情が実は大切です。本気で嫌だからこそ、真剣に「楽しくする工夫」をする動機が生まれるからです。

 

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