JUSTICE 正義の女神の天秤には何が乗っているか問題

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正義の女神は2つのお皿を持つ天秤を持っています。彼女に関しては、たくさんの正義の中で何を重視するか、という問題があります。

平等という正義1つとっても、富の平等を大事だと考えるのか、自由な経済活動や表現活動が平等に保証されることが大事と考えるのか、何を重視するかによって何が正義かは変わります。

たとえば、全国民の富の平等ということを政府が厳密に保証しようとすると、自由な経済活動をみんなに保証することはできなくなりるます。なぜなら、「富の平等」という聖杯のもとに、大富豪から財産を略奪して大貧民に分配する、ということを強制的に政府がやることになるからです。

富が完全に平等にされる社会では、誰かが事業に成功しても成功した分だけ政府が徴収してよそに配ってしまうので、自由な経済活動ができる社会とはいいがたくなります。失敗するリスクが消える代わりに成功するメリットも消えてしまうわけです。


「何かが得られる時には同じだけの何かが常に失われている。」

こうした考え方は正義の女神の天秤というものが象徴しているものの1つと言えるでしょう。(鋼の錬金術師でも重視されていた等価交換のルール)

正義ということを考える時は、何が最も大事な正義なのかということを考察する必要があります。

学校教育なら、勉強したい人が経済状況に関わらず誰でも勉強ができる環境をつくるという意味で平等にすることが大事とするのか、誰もが一定レベルの学力を平等に身に着けることが大事とするのか、これによって話が変わってきます。

経済的な事情で勉強したいのにできない人をなくすという文脈なら、奨学金(給付)などで学費負担を減らす方法が1つ考えられます。一方で、勉強したくない人に強制的に勉強させるような仕組みは全く必要ありません。

逆に、全ての国民に読み書きそろばんくらいを叩き込むことが大事という文脈なら、学費負担を減らすだけでなく、勉強したくない人に強制的に勉強をさせる仕組みも必要になります。

正しさを考える場合は、どの文脈の正しさが最も重視されているのかに目を向けていく必要があるわけです。

お買い物であれば、安さが正義なら質はある程度は犠牲になることが多いですし、質が正義なら安さはある程度は犠牲になることが多いわけです。(「安くて質もよい」は例外的にバランスがいい特殊な状態で、通常はどっちかに振られます)

nakajima oumi

nakajima oumi

シンボルと精神世界の研究家。 「キレイはキタナイ、キタナイはキレイ」。日本文化と欧米文化は異なるからこそ面白い。

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