タロットとストーリー作り

エッセイ

タロットカードで遊ぶのと何かのシナリオを思い描くという思考とは、実はとても近いものがあります。シナリオ作りの教本の中にはタロットを使うものもあるくらいです。

タロットカードの場合は例えば、現在→過去→未来 という物事の流れを予測するために、カードというランダムな情報を発生させるツールを使うわけです。

例えば、「この破滅的な恋はど~なるの?」という恋物語のシナリオを予想するには

1.今のあなた 「皇帝 EMPEROR」
2.過去のあなた 「死 DEATH」
3.未来のあなた 「世界 WORLD」

という風に三枚のカードを並べます。ここまではトランプをやったことがあれば誰でもできます。

で、ここからどうやってシナリオを予想するかですが、霊的能力は不要です。あればプロの魔術師や陰陽師になれますけど、占い師や巫女をやる時でもなければ不要なものです。

何かのシナリオを予測するためには、ごく普通の想像力やインスピレーションがあれば全く何の問題もありません。

1.今のあなた 「皇帝 EMPEROR」
2.過去のあなた 「死 DEATH」
3.未来のあなた 「世界 WORLD」

であれば

現在のあなたを象徴している要素は、「EMPEROR」という単語(もしくはカードの絵)から自由連想できる範囲のものです。
過去から影響を象徴している要素は、「DEATH」という単語(もしくはカードの絵)から自由連想できる範囲のものです。
このまま進んだ場合の未来は、「WORLD」という単語(もしくはカードの絵)から自由連想できる範囲のものです。

例えば、「この禁断の愛はこの後ど~なるの?」というさっきの恋物語の例で言えは

1 EMPEROR
いまは(皇帝のように)けっこうやりたい放題できます。

2 DEATH
ただ、実は「私はいらない子なんだ」的な死にたい願望とか過去の思い出の中に眠ってないですか?(親を早くになくしたとか)のトラウマがあるかもしれません。

3 WORLD
このままいくと二人だけの[世界]に埋没して変化が止まってしまうので、仕事で片方が地方に飛ばされるようなことになるかも。

という風に展開できるわけです。要は連想ゲームなので、練習すればサルでもできます。

できない人は、占いやオカルトやスピリチュアル的な世界の知識が不足しているというよりも・・・・

シナリオを思い描く力
一つの要素から複数の要素を発想する想像力
自由な発想力

などの不足が主問題なのです。

こういうのは名作とされるストーリにたくさん触れるのがよいので、あさきゆめみし(漫画)で源氏物語でも読んで勉強してください。男性と男子的感性の女子には江川達也の漫画の源氏をお勧めします。

何かのストーリーを予想するツールとして、タロットでランダムな単語を並べるというのは面白いものです。

ただ、タロットカードだと元が賭博や占い用のツールです。そして、聖書的絵画をベースに作られている歴史を持つツールなので、日本語を思考言語として使う場合には、めんどくさいこともあります。

(ex.キリスト教的な原罪という概念は日本人には存在しない。なので「最後の審判」カードなどは適度に読み替えてあげなくてはいけない。)

ということで、日本的世界観をベースにして、高度に抽象化したストーリー予測ツールとして作ったのがこの作品です。

ストーリーシンボルカード(クリック)

余談ですが、人間の思考は使う言語にコントロールされていますので、何語をベースにして考えるかってけっこう大事です。同じ人が英語で考えた時と日本語で考えた時とで結論が変わったりします。言語ではなく、記号や象徴をベースに発想すると少し広くなります。

nakajima oumi

nakajima oumi

シンボルと精神世界の研究家。 「キレイはキタナイ、キタナイはキレイ」。日本文化と欧米文化は異なるからこそ面白い。

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