神話の中のイジメ

神話的知識

日本神話では出雲神話の中に、日本初の「イジメ」が出てきます。といっても、陰湿なものではなく暴力的でストレートなイジメです。いじめられっこのほうは、「このままでは殺される」と逃げだしていきます。そして、二度目の避難先でお姫様と出会い、武器を得て立派な若者に成長して故郷に帰還し、いじめっこ達に無事に復讐をとげて王様になります。

これ、実はオオクニヌシの物語の要約です。この日本初のいじめられっこ、の役割を演じているのが、出雲大社のご祭神として知られるオオクニヌシノミコト。別名、大黒様とも言います。いじめっこを演じている神々は八十神(やそがみ)といいます。これはたくさんの神々という意味で、「その他大勢の神さん」というネーミングになります。

有名な「因幡の白兎」の話はこのオオクニヌシの旅の物語の前半で出てくる話です。

イジメの教訓を得ようという意識でこの神話を読んだ時に読み取れるのは、「(かなわなかったら)逃げてよい!」「(親や恋人などに)助けてもらってよい!」「(強くなったら)戦ってよい!」などなどです。

nakajima oumi

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シンボルと精神世界の研究家。 「キレイはキタナイ、キタナイはキレイ」。日本文化と欧米文化は異なるからこそ面白い。一般論や常識に違和感がある方歓迎。

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