てんびん座の神話
女神アストライアー(星の乙女の意味)は、地上世界が堕落していき、神々が地上を去って行く中、最後まであきらめずに地上に残って正義を説いたと言われています。
かつて、地上がクロノスによって統治されていた時代、人は労働しなくても自然の豊かな恵みによって暮らしていくことができました。季候は常に暖かく、神々と人間はとても親しい関係性を保っていました。(黄金時代)
しかし、ゼウスがクロノスから政権を奪うと、四季が生まれ、人は労働しなくては日々の糧を得ることができなくなってしまい、暑さ寒さをしのぐために家に住むようになりました。(白銀の時代)
そして、剣や槍のような武器を作り出し、土地や作物を巡って互いに争うようになります。(銅の時代)
最後に、あらゆる悪行がはびこり、一部の持てる者が富を独占し、よその土地へ出かけていって略奪や暴行を繰り返すようになります。(鉄の時代)
こうして人間がだんだんと堕落していくなか、正義の女神アストライアーは最後まで
人間界にとどまって「正しい道」を説き続けていましたが、鉄の時代になるにいたってついに人間に絶望して天へと去って行きました。
星占いのてんびん座の一言イメージ
聡明叡智(そうめいえいち) 極めて高い知性 異なる世界に橋を掛ける
コメント
アストライアーはローマ神話のユースティティアとも同一視されます。天秤を持つ正義の女神、裁判所とか弁護士とか司法関係でシンボルで使われているアレです。「黄金時代(Golden Age)」という言葉の元ネタその1はこの辺の話です。かつては人間は素晴らしい存在だったが、段々と堕落していったという話になります。