古代文字・神代文字はなぜ求められるのか?

情報はいくつかの需要があるので世の中に広まるわけですが、古代文字というのは大きく三つの世界で需要があります。神代文字というのは古代日本で使われていたと信じられている古代文字のことです。歴史の世界では無視されていますが、いくつかの世界では重宝されています。

 

■呪術・神事のツールとして

これはものすごく単純な話です。下の図をご覧ください。

omamori_hikaku

御守りを買うとしてどっちのほうがそれっぽく感じますか?ってことです。失われた太古の文字をなぜわざわざ復活させてきたり、それらしく創作したりするのかというと、この種の需要は大きな部分だと思います。

お札の類は日常語で書かれているより非日常語で書かれているほうが使いやすい部分があるのです。ちなみに右側はカタカムナという超古代の文字と伝えられるものを使っています。西洋の伝説でいうアトランティス文明みたいなもので歴史学的には何も根拠はありませんが、伝説のカタカムナ文明というのはすこし魅力的な世界観です。

■創作・芸術のツールとして

最近のマンガ・アニメではルーン文字が流行ですが、日本文明的な世界観を打ち出した異世界を作る場合、古代ケルト(欧州)のルーン文字をそのまま使うのは雰囲気がでません。別のものをベースにしたほうが面白くなります。

なお、古代文字というのは、石に刻むとか木に刻むなどの仕様で設定すると、必然的に直線的なものが主になります。曲線的な文字は、紙や布などのやわらかい素材に筆のようなもので書くという想定をする必要が出てきます。

なので古代的な文字で直線的な文字、と設定するとわりと世界各地の文字が似たようなデザインに集約されていくのです。

意外にハードによる無意識の制約というのは受けていますので。

もちろん「どこか一ヶ所に起源の文字があって広まった」という発想も可能ですが、その説だけでなく「人間の考えることやできることは、ある程度共通している」という発想も持ったほうが自然だと思います。

 

■政治論や文明論などのツールのひとつとして

明治以降に導入された近代西洋の考え方で

「文字がある文明=優秀 文字がない文明=劣等」

という進歩史観的な発想が入ってきました。

なので、欧米列強に対して自己主張するためのツールとして超古代文字や超古代の歴史が必要とされた面も少しはあると思います。それらしきものは一部に存在しているわけですし。天孫降臨神話などは、宇宙人が地球に移住してきた話と解釈すると分かりやすいという解釈もできます。

ただ、「文字のあるなしと文明としての発展段階が比例する」という発想や、「人類の歴史は直線的に進歩していて、現代が最高」という発想自体が前時代の西洋的な発想になります。「人類は直線的に進化してきた」という時間感覚や歴史観そのものが、既に時代遅れなのです。

なので、古さや歴史を広報や宣伝のために活用する場合、冷静に自分達の利益にかなうかを判断して是々非々で活用すべきでしょう。

文字無しで高度な文明を作り上げた南米のアンデス文明などが良い例ですが、「文字がない=後進的」という前提そのものが実は間違っているというのは理解しておくべきです。

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